【札幌円山整体院が教える自律神経と太陽神経叢の関係】
自律神経
自律神経は、意識的な制御ができない自動的な働きを通して、体内の恒常性(ホメオスタシス)を保つために機能する神経系です。主に交感神経と副交感神経の2つの神経系から成り、体温、心拍、血圧、消化、呼吸などを無意識に調整しています。
自律神経の2つの系統
交感神経系
役割:「活動モード」に関わり、ストレスがかかる状況や危機的な状況に対応します。
特徴:交感神経が優位になると、心拍数や血圧が上がり、血管が収縮してエネルギーを一時的に高めます。
これは「闘争・逃走反応」とも呼ばれ、危険やストレスに対する準備を整えます。
副交感神経系
役割:「休息モード」や「リラックスモード」に関わり、体を回復させ、エネルギーを蓄えます。
特徴:副交感神経が優位になると、心拍数や血圧が下がり、消化や排泄などの機能が活発化します。
これは「休息・消化反応」と呼ばれ、体をリラックスさせ、回復のためにエネルギーを節約します。
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太陽神経叢とは?
太陽神経叢(腹腔神経叢)とは、自律神経の中でも特に重要な神経の集まりで、内臓の機能調整に深く関わっています。腹腔内の交感神経と副交感神経が複雑に交わるため、「内臓のブレイン」とも呼ばれ、消化器系や呼吸器系、循環器系、内分泌系などに直接的な影響を与えます。
太陽神経叢の基本構造
- 太陽神経叢は、主に胸椎6番から12番の交感神経が集まり、さらに副交感神経である迷走神経とも連携しています。このため、胃や腸、肝臓、腎臓、膵臓などの腹腔内のほぼすべての臓器とつながっています。
- 横隔膜のすぐ下、胃の奥あたりに位置するため、「みぞおち付近」にあると感じることが多い場所です。
太陽神経叢の働き
内臓機能の調整:
太陽神経叢は消化器系の主要な調整器官であり、胃酸の分泌、腸の蠕動運動、肝臓での代謝機能などを調整しています。自律神経を介してこれらの臓器に指令を送ることで、消化や栄養の吸収、老廃物の処理を円滑に進めます。
ストレス反応の調整:
太陽神経叢はストレス反応の調整にも関与しています。交感神経が優位になると、太陽神経叢を介して胃腸の働きが抑制され、エネルギーを活動に回そうとする「闘争・逃走反応」を引き起こします。この状態が続くと、消化不良や胃痛、腹部の緊張などが起こりやすくなります。
血流や循環の制御:
太陽神経叢を通じて血管の拡張・収縮が調整され、内臓への血流もコントロールされます。リラックス時には副交感神経が働き、内臓への血流が増加して消化吸収が促進されますが、緊張時やストレス下では血流が抑えられ、筋肉や脳への血流が優先されます。
呼吸との連携:
太陽神経叢と横隔膜の動きは密接に連携しており、特に腹式呼吸を行うことで太陽神経叢が刺激され、副交感神経が活性化します。これにより、身体がリラックス状態へと導かれ、血圧の低下や消化機能の向上が促進されます。
太陽神経叢と心身の関係
太陽神経叢は、精神的な影響を受けやすい部位でもあります。たとえば、強い不安や緊張を感じるとみぞおちが苦しくなったり、胃が痛くなったりすることがありますが、これはストレスや不安が太陽神経叢を介して内臓の働きに影響を与えているためです。このため、太陽神経叢は「第二の脳」とも呼ばれ、感情の影響を強く受ける場所と考えられています。
太陽神経叢と自律神経の関係
太陽神経叢と交感神経の関係
太陽神経叢には、交感神経系からの神経線維が多く含まれています。これは胸椎から出る交感神経が腹腔部に達して、太陽神経叢に集まり、以下のような働きを担っています
内臓器官の血流制御:交感神経が活性化すると、内臓の血管が収縮し、血流が減少します。これにより、活動が必要な筋肉や重要な器官に血流が優先されます。
消化機能の抑制:交感神経系が優位になると、胃や腸の消化活動が抑制され、消化液の分泌が減少します。
太陽神経叢と副交感神経の関係
副交感神経線維も太陽神経叢に到達し、特に迷走神経を介して腹部の内臓に影響を与えます
消化促進:副交感神経が優位になると、消化器官の働きが活発になり、消化液の分泌や腸の蠕動運動が増え、栄養の吸収が促進されます。
リラックスと回復:副交感神経が太陽神経叢に作用すると、内臓の血流が増加し、リラックスした状態が保たれます。
今回は専門職向けの内容となっております。
今後も少しずつ深掘りした内容をお伝えしていこうと思っております。
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